「ふるさと」
2月6日 晴れ 第40回森町ロードレース(ハーフ)のスタート地点に立っていた。八重田さん、猪浦さんもエントリーとのことで、二人の姿を確認しようと見渡すが発見できず残念。
昨年から、このコースも新たに変わり、古い町並みから大田川上流に向かって途中折り返す、走りやすい道のりとなった。まず目標は完走。淡々と黙々と駆けていく。あの橋も、この川も、あの山も変わらない。沿道の応援もどことなくあったかい。穏やかな風景に童謡「ふるさと」を口遊む。
兔追いし かの山
小鮒(こぶな)釣りし かの川
夢は いまも めぐりて
忘れがたき 故郷(ふるさと)
折り返しも年代別で順位を数える。己は今、何位かの余裕あり。
18km過ぎた頃、突然左足脹脛に激痛が走った。痙攣だ!!嫌な客が来た。走りはランからスロージョグへと変わりスピードは完全にダウンした。年代別順位も記録も痛みに押し流されてゆく。何とか持たせてゴールしたい。
後方から迫り来るランナー達に抜かれることしきり。ガンバレ、ガンバレの声援に答える気力も徐々に失い、苦痛に歪んだ顔をサングラスで隠し、歯を食いしばりながらやっとこゴール。去年よりも5分遅い1時間47分。
一週間後、3月6日の駿府マラソンに向けトレーニング中、13km程走った頃、左腰骨付近に今までにない痛みを感じた。日を増すごとに痛みは強くなり、歩行にも支障を来たすようになり、走れないのではの予感が頭を過る。
2月も後半になり回復の傾向はみられず、悶々とした日が続くため整形外科を受診。レントゲン撮影で異常はなくに安堵。問診後、暫くは安静とフルマラソンは控えたほうが良いのではの言葉を頂き無念の中、駿府マラソン欠場を決意。
27回連続出場の日本平桜マラソン(23.4km)に翔けようとしていた矢先、3月11日(金)14時46分、東北東関東大震災が発生した。
勤務中あのなんとも不快な長い揺れは、今も私の体に地震酔いとしてインプットされた。あらゆる想定が覆され甚大な被害は未曾有の大災害となり、大自然の脅威に人間の無力さを知らされた。
ご存知でしょうか!東海地震が騒がれて早30年の歳月は既に流れ、明日来てもおかしくないと言われ・・・その間に平成7年1月7日阪神大震災発生、そして今回の東北東関東大震災発生。
防災先進国とされてきた県内にも大きな衝撃を与えた。津波や原発への対策や被害想定はこのままでいいのか各地で再確認と見直しが始まっている。
被災地、被災者の悲しみに心は痛み、流れる涙は尽きない。生活必需品を求め東奔西走する被災者のいる中、遠い地で買い溜めに走る人達よ、恥かしさを知ってほしい。
マスメディアから色彩と笑いが消えた中、各国から支援隊が到着し、一縷の可能性に望みをかけてくれ、海外、日本全国からの支援物資、励ましのメッセージが送られている。ひとり一人の微力が相互扶助となり、大きな日の丸となって、災害復興に向かっている。
「今、日本が一つになろうとしている!捨てたもんじゃないぜ日本人!」
みんなが応援しているよ。負けないで東北関東。挫けないで被災地の方々。私達は決して見捨てません。支えます。
苦しく長い困難な道のりを復旧復興に向け共に歩もう。共に頑張ろう。
志(こころざし)をはたして
いつの日にか 帰らん
山は青き 故郷
水は清き 故郷
素晴らしい国 優しい国「ふるさと」日本を!!
半田二三男